総務省が2026年10月2日に発表した9月の東京都区部消費者物価指数(CPI、中旬速報値、2025年=100)は、生鮮食品を除く総合(コア)が前年同月比+2.7%と、8月の+1.8%から大きく加速した。市場予想の+2.4%も上回り、コアが2%台に乗るのは8カ月ぶり(直近の2%台は2026年1月の+2.0%)だ。ただし、今回の数字には東京都の無償化策と国のエネルギー関連の政策という政策要因が、押し上げと押し下げの両方向に混ざっている。本稿では、この政策要因の分解に重きを置いて読み解く。
9月の東京都区部CPIはコア+2.7%(8月+1.8%)、コアコア+3.0%(同+2.0%)と急加速し、予想(コア+2.4%)も上回った。ただし、コアの加速0.91ポイントの半分超は、都の保育料無償化と水道基本料金無償化の「前年の裏」による見かけの押し上げだ。一方でエネルギーは補助がなければ物価を押し上げる側にあり、政策要因をネットで調整した基調は約3%。見かけの数字より、中身を読む月だった。
- ①総合+2.7%、コア+2.7%、コアコア+3.0%。コアは市場予想(+2.4%)を0.3ポイント上回った
- ②コア加速0.91ポイントのうち、保育料(+0.29)と水道料(+0.24)で0.53ポイント。いずれも東京都の無償化の反動
- ③エネルギー政策(−0.36)と保育料の残存(−0.21)が押し下げ、水道料の反動(+0.24)が押し上げ。ネットで戻すと基調は約3%
📊 数字の全体像——コアは8カ月ぶりの2%台、予想も上振れ
9月の指数は、総合が102.5で前年同月比+2.7%(8月+1.9%)、コアが102.6で+2.7%(同+1.8%)、生鮮食品及びエネルギーを除くコアコアが103.0で+3.0%(同+2.0%)だった。ロイターがまとめた民間予測(コア+2.4%)に対し、結果は0.3ポイントの上振れだ。報道によると、コアが2%台に乗るのは8カ月ぶり(直近の2%台は2026年1月の+2.0%)で、総合・コアとも2025年11月以来の高い伸び、コアコアの3%台は2025年8月以来となる。
| 指標 | 指数 | 9月前年比 | 8月前年比 | 前年比の変化 | 季調済み前月比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 総合 | 102.5 | +2.7% | +1.9% | +0.8pt | +0.6% |
| コア(生鮮食品を除く総合) | 102.6 | +2.7% | +1.8% | +0.9pt | +0.9% |
| コアコア(生鮮食品及びエネルギーを除く総合) | 103.0 | +3.0% | +2.0% | +1.0pt | +0.7% |
季節調整済みの前月比は総合+0.6%、コア+0.9%、コアコア+0.7%と大きいが、原数値の前月比はコア+0.3%、コアコア+0.4%にとどまる。水道料が前月比+65.6%と跳ねたような一回限りの動きも含まれるため、基調の判断には前年比の分解のほうが向いている。なお、持家の帰属家賃を除く総合は+2.8%だった。
🧩 十大費目でみる強弱——政策要因が出た費目が大きく動いた
10の費目を8月と比べると、前年比が大きく動いたのは光熱・水道、諸雑費、教養娯楽、家具・家事用品だ。コアの前年比拡大に対する寄与度差は、諸雑費が+0.28、光熱・水道が+0.25、教養娯楽が+0.23で、食料だけが−0.15(生鮮食品の鈍化)だった。
| 費目 | 9月前年比 | 8月前年比 | 9月寄与度 | 主な動き |
|---|---|---|---|---|
| 食料 | +3.2% | +3.8% | 0.86 | 生鮮食品が+4.8%→+0.8%に鈍化。生鮮食品を除く食料は+3.6%で横ばい |
| 住居 | +2.1% | +1.9% | 0.56 | 家賃+2.0%、民営家賃+2.2% |
| 光熱・水道 | +3.8% | −1.6% | 0.18 | 水道料+65.6%(寄与度+0.24)。エネルギーは−1.9% |
| 家具・家事用品 | +5.5% | +3.7% | 0.18 | 家庭用耐久財+5.9% |
| 被服及び履物 | +1.2% | +1.4% | 0.04 | — |
| 保健医療 | +2.4% | +2.4% | 0.12 | — |
| 交通・通信 | +3.3% | +2.8% | 0.33 | 交通+4.8%(JR普通運賃+9.1%)、自動車保険料(任意)+5.9% |
| 教育 | +2.0% | +2.0% | 0.08 | 東京は国の高校無償化による押し下げが目立たない |
| 教養娯楽 | +4.1% | +1.8% | 0.42 | 宿泊料が−1.4%→+4.6%、外国パック旅行費が+9.7%→+23.5% |
| 諸雑費 | −2.1% | −7.3% | −0.11 | 保育所保育料(−100.0%)の寄与度が−0.50→−0.21に縮小 |
食料の鈍化は生鮮食品(野菜の下落)によるもので、基調に近い「生鮮食品を除く食料」は+3.6%、寄与度0.83と8月から変わらない。教育が+2.0%と8月から変わらない点も、後述する全国との違いとして覚えておきたい。
🛒 代表品目でみる増減——食のコスト転嫁は続く
総務省が公表した主な内訳から、生活実感に近い品目を抜粋した(カッコ内は総合への寄与度)。
| 方向 | 費目 | 中分類(前年比・寄与度) | 主な品目(前年比・寄与度) |
|---|---|---|---|
| 上昇 | 食料 | 外食 +4.7%(0.30) | すし(外食)+14.3%(0.06) |
| 上昇 | 食料 | 生鮮魚介 +17.2%(0.16) | さんま +45.9%(0.06) |
| 上昇 | 食料 | 調理食品 +3.4%(0.13) | 弁当 +28.1%(0.04) |
| 上昇 | 食料 | 肉類 +5.0%(0.11) | 牛肉(国産品)+14.2%(0.04) |
| 上昇 | 食料 | 飲料 +6.7%(0.10) | コーヒー豆 +25.4%(0.03) |
| 上昇 | 住居 | 家賃 +2.0%(0.50) | 民営家賃 +2.2%(0.08) |
| 上昇 | 光熱・水道 | 上下水道料 +29.5%(0.24) | 水道料 +65.6%(0.24) |
| 上昇 | 交通・通信 | 交通 +4.8%(0.13) | 普通運賃(JR)+9.1%(0.04) |
| 上昇 | 交通・通信 | 自動車等関係費 +2.7%(0.13) | 自動車保険料(任意)+5.9%(0.04) |
| 上昇 | 教養娯楽 | 教養娯楽サービス +3.5%(0.23) | 宿泊料 +4.6%(0.09) |
| 上昇 | 教養娯楽 | 教養娯楽用品 +6.1%(0.11) | ゴルフクラブ +54.4%(0.04) |
| 下落 | 食料 | 生鮮野菜 −5.3%(−0.10) | トマト −13.8%(−0.04) |
| 下落 | 諸雑費 | 他の諸雑費 −12.8%(−0.20) | 保育所保育料 −100.0%(−0.21) |
食では外食、調理食品、肉類、飲料と広く上昇が続いている。コメ類は−19.8%と下落幅を広げたが、これは前年(2025年9月は+46.8%)の急騰の反動が大きい。ロイターは、政策要因の剥落に加えて、中東情勢の緊迫化に伴うコスト上昇分の転嫁が進んだことも伸びを押し上げたと伝えている。
🔍 補助金・政策要因の影響を分解する——「見かけの2.7%」と「基調」
今回の東京CPIで最も重要なのは、水準そのものよりも「何が混ざっているか」だ。9月は、東京都の無償化策(保育料・水道)と国のエネルギー政策(ガソリン暫定税率廃止・電気・ガス補助)が、押し上げと押し下げの両方向から同時に効いた。政策要因は特定の月に偏って現れるため、ヘッドラインの加速や鈍化をそのまま「物価の勢いの変化」と読むと判断を誤る。以下では、総務省が公表した寄与度(総合指数の前年同月比に対する寄与)を使って分解する。
用語メモ
- 寄与度:その品目が総合の前年比を何ポイント動かしたか。足し合わせると全体の前年比になる
- ベース効果(前年の裏):前年に価格を押し下げた施策があると、1年後は比較基準が低いため、同じ価格でも前年比が押し上げられる現象
- 剥落:前年の施策の影響が比較基準から外れ、前年比への影響が消えること
今回のコアに混ざっていた3つの政策要因
| 要因 | 主体 | 性格 | 9月の寄与度 | 8月の寄与度 |
|---|---|---|---|---|
| エネルギー政策(ガソリン暫定税率廃止・電気・ガス補助など) | 国 | 当期の押し下げ | −0.36 | — |
| 保育所保育料(第1子無償化) | 東京都 | 恒久制度の残存分 | −0.21 | −0.50 |
| 水道料(前年夏の無償化の反動) | 東京都 | 時限措置の反動 | +0.24 | 0.00 |
| 3要因のネット | −0.33 |
※エネルギー政策効果は総務省の試算値で、9月分のみ公表されている。保育料・水道料の寄与度は総務省の公表値(寄与度は総合ベース)。
3つを合算すると、政策要因はコアを差し引き0.33ポイント押し下げている。つまり、見かけの+2.7%は、政策要因を戻せば約3%に相当する。以下は筆者の簡易試算だ。
| ステップ | 寄与度(総合ベース) |
|---|---|
| 見かけのコア(+2.7%) | 2.63 |
| エネルギー政策の押し下げを戻す | +0.36 |
| 保育料の残存する押し下げを戻す | +0.21 |
| 水道料の反動による押し上げを除く | −0.24 |
| 政策要因を調整したコア | 2.96(コア換算で約3.1%、総合ベースで約3.0%) |
クロスチェックとして、エネルギーを含まないコアコア(+3.0%)でも同じ調整をしてみる。水道料の押し上げ(+0.24)と保育料の押し下げ(−0.21)を調整すると約2.9%で、ほぼ同じ水準になる。補助金・無償化を取り除くと、東京の物価の基調は3%前後にある、というのが今回の読みだ。
試算の注意点
- 寄与度は総合ベース。コア換算は総合ベースの数値をコアのウエイト(96.21%)で割り戻した概算
- 保育料の無償化は恒久制度で、物価水準を恒常的に下げている。調整後の数字は「前年比を比べるための参考値」で、「本当の物価」とは限らない
- エネルギー政策効果は総務省の試算値であり、実際の価格形成には燃料費調整額などの他の要因も含まれる
エネルギー——補助金がなければ「押し上げる側」だった
エネルギーの実際の寄与度は−0.08ポイントと、小さなマイナスにとどまった。だが総務省の試算では、ガソリン暫定税率廃止と政策による効果は−0.36ポイントで、これを除いたエネルギーは+0.28ポイントの押し上げ要因だった計算になる。エネルギーのウエイト(4.6%)で割り戻すと、政策がなければ前年比+6%前後の上昇に相当する(概算)。
| 品目 | ウエイト(万分比) | 9月前年比 | 実際の寄与度 | 政策効果 | 政策を除いた寄与度 |
|---|---|---|---|---|---|
| エネルギー計 | 460 | −1.9% | −0.08 | −0.36 | +0.28 |
| 電気代 | 279 | −2.6% | −0.07 | −0.17 | +0.10 |
| 都市ガス代 | 118 | −0.5% | −0.01 | −0.05 | +0.04 |
| 灯油 | 6 | +11.0% | +0.01 | −0.01 | +0.02 |
| ガソリン | 53 | −2.6% | −0.01 | −0.13 | +0.12 |
※「政策を除いた寄与度」は、実際の寄与度から政策効果を差し引いた筆者の計算。プロパンガス(ウエイト4、前年比+3.5%)は寄与度0.00のため省略。
総務省は政策効果を「当月分」と「前年剥落分」に分けて示している。エネルギー全体では当月分が−0.65、前年剥落分が+0.29で、ネット−0.36だ。前者は今年の施策による押し下げ、後者は前年に同種の施策で下がっていた比較基準が戻る(前年の押し下げが剥落する)効果と読める。電気代でも当月分−0.36、前年剥落分+0.19と、今年と去年の支援が一部打ち消し合っている。
第一生命経済研究所によると、2026年夏の電気・ガス支援は7〜9月使用分が対象で、CPIへの影響は8〜10月に表れる。規模は約5,000億円程度、標準的な世帯の負担軽減は3カ月で5,000円程度とされていた。前年夏にも支援があったため、前年比での追加的な押し下げは0.2ポイント程度との試算だった。今回の東京の電気代・都市ガス代の政策効果(合わせて−0.22)は、この見立てとほぼ整合している。
保育料と水道料——同じ「都の無償化」でも性格がまったく違う
保育所保育料は「恒久制度」だ。東京都は2025年9月から、0〜2歳の第1子の保育料を所得制限なしで無償化した(それまで0〜2歳は住民税非課税世帯や第2子以降に限り無償)。2025年9月のCPIでは保育所保育料が前年比−60.4%と、2001年1月以降で最大の下落率になった。その後、2026年4月には統計作成上の要因でさらに一段下がり(寄与度は3月−0.31→4月−0.51、第一生命経済研究所)、8月まで寄与度−0.50前後が続いた。
9月は比較対象の2025年9月がすでに下がっていたため、寄与度が−0.21へ縮小し、これが総合を+0.29ポイント押し上げた。ここから逆算すると、2025年9月時点の保育料は無償化前の約4割が残っていたことになり、その残りが2026年4月に消えた形だ。前年比の押し下げが完全に解消するのは、比較基準がゼロに入れ替わる2027年4月分とみられる(筆者の推定)。
水道料は「時限措置」だ。都は2025年に続き、2026年の夏も一般家庭の水道基本料金を4カ月間無償化した。CPIへの反映月は、2025年が6〜9月、2026年が5〜8月と1カ月ずれていた(第一生命経済研究所)。2026年は9月分で通常料金に戻っている(日本経済新聞)。このため水道料は前月比+65.6%、前年比も+65.6%と跳ね、寄与度は8月の0.00から+0.24になった。無償化が前年と今年で重なっていた6〜8月は前年比ゼロ(5月は今年だけ無償で大きなマイナス)で、前年だけが無償期間だった9月に限って現れた純粋な反動だ。
※2026年の無償化はCPI上で5〜8月分に反映され、前年(6〜9月分)より1カ月早く始まり、1カ月早く終わった。
この2つは、同じ都の施策でも効き方が逆だ。保育料は「下がった水準が続く」ので前年比の押し下げが年をまたいで残り、水道料は「夏だけ下がって戻る」ので9月に一度だけ押し上げて10月には消える。
いつ剥がれるか——政策要因カレンダー
| 要因 | 主体 | 9月の寄与度 | 今後の見通し | 目安の時期 |
|---|---|---|---|---|
| 水道基本料金無償化 | 東京都 | +0.24 | 前年・今年とも通常料金なら前年比はゼロ近辺に戻り、押し上げは消える | 10月分(10月30日公表) |
| 保育所保育料 | 東京都 | −0.21 | 比較基準が低水準のまま、押し下げが残る。基準がゼロに入れ替わると解消 | 〜2027年3月分(推定) |
| 電気・都市ガス補助(7〜9月使用分) | 国 | 電気−0.17/ガス−0.05 | CPI反映は8〜10月分。終了後は押し下げが消える方向 | 11月分以降(11月27日公表) |
| ガソリン(暫定税率廃止など) | 国 | −0.13 | 廃止から1年が経つと前年比較から外れ、一巡へ | 2026年末〜27年初(推定) |
| 私立高校授業料の実質無償化 | 国 | 東京では目立たず | 全国では押し下げが続き、4月で1年を迎えて一巡 | 2027年4月分(全国) |
このカレンダーが示すのは、「見かけの物価」は今後も機械的に上下するということだ。他の要因が変わらないと仮定すると、10月分は水道料の押し上げ(コアで+0.24)が消えるぶん、コア・コアコアとも伸びが0.2ポイント台縮みやすい。逆に11月分は、電気・ガス補助の押し下げ(合わせて約−0.2)が消えて伸びが戻りやすい。ただし、秋以降に追加の支援が決まればこの見立ては変わる(第一生命経済研究所は5月時点で、秋以降の支援延長・拡大の可能性を指摘していた)。
なお、東京の教育費目が+2.0%と上昇している点は、全国と対照的だ。全国の8月分では教育が−3.8%、私立高校授業料は−73.2%(寄与度−0.15ポイント)と、国の高校無償化の影響が大きく出ていた。東京では都の独自支援が先行していたことなどから、国の拡充による追加の押し下げが小さかったとみられる(筆者の推測)。
補助金は「物価」を下げても「コスト」は消えない
国のエネルギー補助は2023年から、夏・冬を中心に繰り返し実施されてきた。2026年も1〜3月使用分と7〜9月使用分で実施され、そのたびにCPIは押し下げられ、終了のたびに反動が出る。政策の入りと出でヘッドラインが上下するため、統計が物価の基調を示すシグナルとして読みにくくなっている。
補助金で下がるのは家計が支払う価格であって、エネルギーを調達するコストそのものではない。差額は財政が肩代わりしており、2026年夏の電気・ガス支援だけで約5,000億円程度とされる。東京都の水道基本料金無償化も、都の財政で賄われている。家計の負担感は和らぐが、費用は別の形で社会が負担しているにすぎない。
ここで気になるのは、金融政策と財政政策が逆向きに動いている構図だ。日銀は9月の会合で、物価の上振れリスクの高まりを理由に政策金利を1.25%へ引き上げた。一方で、補助金は測定上の物価を押し下げる。補助が大きいほど見かけの物価は低く出るため、日銀が見たい基調的な物価を見誤りやすくなる。当ブログは、これを特定の政権の問題ではなく、歴代の施策に通底する「補助金で物価を抑える」手法の構造的な副作用だと考えている。
- 見かけのコア+2.7%には、押し下げ(エネルギー政策−0.36、保育料−0.21)と押し上げ(水道料+0.24)が同時に混ざっていた
- ネットで戻すと基調は約3%。補助がなければエネルギーは+0.28ポイントの押し上げ側だった
- 水道の押し上げは9月限り、保育料の押し下げは2027年4月まで残る見込み。性格の違う政策要因が月ごとに入れ替わる
- 補助金はCPIを下げるが、コストは財政に移るだけ。金融引き締めと物価押し下げ策が逆向きに並ぶ構図に注意
🏦 日銀・全国CPIへの示唆
今回の東京CPIは、日銀が9月17〜18日の会合で政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げた後、最初に出た物価データだった(OANDA証券)。利上げは賛成7・反対2で、中東情勢の悪化に伴う原油高などを背景に物価の上振れリスクが高まっていると判断し、利上げのペースを加速させた(時事通信)。次回会合は10月末で、展望レポートが公表される。為替・金利の反応は別記事で取り上げる。
全国CPIは10月23日に9月分が公表される。保育料と水道料の無償化は東京都独自の施策のため、第一生命経済研究所が2025年の同じ局面で指摘したとおり、全国への影響は限定的とみられる。一方で、国の電気・ガス支援(CPI反映は8〜10月分)と私立高校授業料の押し下げは、全国で続いている。全国8月分はコアが+1.7%、コアコアが+1.9%で、電気・都市ガス代の下落幅拡大がコアを押し下げていた。東京が「政策要因の剥落」の局面にあるのに対し、全国は「効きっぱなし」の局面にある。
🔭 次に見るポイント
- 10月23日(全国9月分):東京独自の2要因が効かない全国で、コア・コアコアがどこまで動くか
- 10月30日(東京10月分):水道料の押し上げ(コアで+0.24)が消えても、コアコアが3%近辺を保てるか
- 11月20日(全国10月分)/11月27日(東京11月分):電気・ガス補助の影響が最後に出る月と、終了後の反動が出る最初の月
見かけの数字が機械的に上下する局面では、ヘッドラインよりも政策要因を除いた基調を見る。次回以降も、寄与度ベースで分解して確認していく。
📚 主な出典
- 総務省統計局『2025年基準 消費者物価指数 東京都区部 2026年(令和8年)9月分(中旬速報値)』(2026年10月2日)|総務省公式PDF(一次資料)
- 日本経済新聞『東京23区の消費者物価指数、9月2.7%上昇 8カ月ぶり2%超え』(2026年10月2日)|記事リンク
- ロイター『都区部コアCPI、9月は2.7%上昇に急加速 政策要因の影響剥落』(2026年10月2日、Infoseekニュース配信)|記事リンク
- OANDA証券『【東京都区部CPI】9月分の注目点:コアは+2.4%へ加速予想、保育料と水道料の「前年の裏」が押し上げ(2026年10月2日8:30発表)』|記事リンク
- 第一生命経済研究所『消費者物価指数(東京都区部・2025年9月)~第1子保育料無償化の影響で下振れも、基調は変わらず~』(2025年9月26日)|記事リンク
- 第一生命経済研究所『消費者物価指数(東京都区部・2025年10月)~水道の基本料金無償化要因剥落で上昇率拡大も、物価の基調に変化なし~』(2025年10月31日)|記事リンク
- 第一生命経済研究所『消費者物価指数(東京都区部・2026年4月)~期初の値上げは限定的。それでも先行き不透明感は極めて強い~』(2026年5月1日)|PDFリンク
- 第一生命経済研究所『消費者物価指数(東京都区部・2026年6月)~水道料の攪乱を除けば落ち着いた動きも、夏場以降の食品値上げには警戒~』(2026年6月26日)|記事リンク
- 第一生命経済研究所『電気・ガス代補助の物価への影響と今後の課題~夏で終わらず、秋以降の支援延長・拡大の可能性も~』(2026年5月25日)|PDFリンク
- 第一生命経済研究所『消費者物価指数(全国・2026年8月)~日用品を中心に値上げ広がる。秋以降は物価上振れの可能性大~』(2026年9月18日)|記事リンク
- 日本経済新聞『東京都区部の消費者物価、9月2.5%上昇 前月と同水準』(2025年9月26日)|記事リンク
- ロイター『都区部コアCPI、9月は+2.5%で変わらず 生鮮除く食料が伸び鈍化』(2025年9月26日、ビジネス+IT配信)|記事リンク
- 時事通信『日銀、1.25%に利上げ=決定会合、物価高でペース加速―3カ月ぶり、次は今冬の見方も』(2026年9月18日、nippon.com配信)|記事リンク
- 東京都『知事記者会見(令和8年5月15日)資料』|東京都公式資料
✍️ 執筆者/ぱぶちゃん|投資歴6年
ファンダメンタルを事実ベースで解説するブログを運営中。相場の「なぜ?」を一緒に考えましょう。たまにチャート分析もします。ナンピンは得意です。/X(旧Twitter):@pablo29god
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