横浜市長選挙2026|立候補予定者6人のプロフィールと公約まとめ【10月18日投開票】

ニュース解説

2026年10月18日、横浜市長選挙の投票が行われます。前市長の山中竹春氏が職員へのパワーハラスメント問題で辞職したことにともなう選挙で、その山中氏本人も立候補を表明しており、「出直し選挙」の色合いを帯びています。

この記事では、選挙が行われることになった経緯、日程、立候補を表明している6人のプロフィールと公約を、報道をもとに整理します。

※本記事は2026年9月30日時点の報道にもとづく内容です。10月4日の告示日に行われる立候補の届け出で、最終的な顔ぶれが確定します。正式な公約は、告示後に公開される選挙公報でご確認ください。

1. なぜ市長選挙が行われるのか

山中氏は2021年8月の市長選で初当選し、2025年の市長選では自民・公明・立憲民主の市議会主要3会派の支援を受けて再選されました。

2026年1月、市の幹部職員から山中氏のパワハラを告発する申し立てがあり、弁護士による第三者調査が行われました。7月に公表された報告書では、告発された行為の大部分がパワハラと認定されています。これを受けて、2025年の選挙で山中氏を支えた自民・公明・立憲民主は、辞職を求める立場に転じました。

山中氏は8月28日に辞職願を提出し、市議会は9月7日の本会議で全会一致で同意。山中氏は同日付で辞職しました。

その後、山中氏は9月28日の後援会の会合で立候補を表明し、翌29日の記者会見で正式に出馬を表明しました。港湾事業者でつくる「横浜港運協会」や、市政を評価する市民団体から立候補の要請を受けていたと報じられています。

📌 出直し選挙とは

不祥事などで辞職した首長が、辞職によって行われる選挙にふたたび立候補し、有権者にあらためて信任を問う選挙のことです。今回は、山中氏の5年間の市政を続けるかどうかも大きな焦点になります。

2. 選挙の日程と投票できる人

選挙の日程

項目日程
告示日2026年10月4日(日)
期日前投票10月5日(月)〜10月17日(土)
投票日10月18日(日)午前7時〜午後8時
開票10月18日(日)午後9時15分から(即日開票)

期日前投票所の場所や時間は区によって異なります。くわしくは横浜市選挙管理委員会のホームページで確認してください。

投票できる人

次の年齢と住所の両方の条件を満たす日本国民が、投票できます。

  • 年齢:投票日(10月18日)現在で満18歳以上の人(2008年10月19日までに生まれた人)
  • 住所:住民票が作成された日から引き続き3か月以上、横浜市の住民基本台帳に記録されている人
  • 市外から転入した人:2026年7月3日までに転入届を出していれば投票できます。7月4日以降に届け出た人は投票できません。
  • 市外へ転出した人:投票日までに市外へ転出した人は、投票できません。
  • 市内で区間異動(区内の転居を含む)をした人:2026年9月1日までに届け出た人は今の住所で、9月2日以降に届け出た人は前の住所で投票します。

投票するには、選挙人名簿に登録されている必要があります。投票用紙(うぐいす色)には、候補者1人の氏名を書きます。

3. 立候補予定者の一覧

出馬表明の順に並べています(年齢は表明時点の報道によります)。

氏名年齢党派肩書推薦・支援
原沢敦美(はらさわ・あつみ)
※「原澤」と表記する報道もあります
59無所属・新人弁護士自民党横浜市連・国民民主党神奈川県連が推薦、日本維新の会が推薦、公明党市議団が支持
福山敦士(ふくやま・あつし)37無所属・新人会社経営参政党が推薦
中谷一馬(なかたに・かずま)43無所属・新人元衆院議員立憲民主党神奈川県連が支援
浅賀由香(あさか・ゆか)46共産党公認・新人共産党神奈川県委員会副委員長共産党公認
藤川祥子(ふじかわ・さちこ)51無所属・新人会社員・市民団体代表―
山中竹春(やまなか・たけはる)54無所属前市長港湾関係団体・市民団体が出馬を要請

4. 各候補のプロフィールと公約

原沢敦美(はらさわ・あつみ)氏

プロフィール

3歳から約50年間、横浜に住んでいます。慶應義塾大学大学院を修了後、日本航空に技術系総合職として入社し、約12年間、航空機の整備士などの技術職を務めました。その後、早稲田大学法科大学院を修了し、2009年に弁護士登録。企業法務やコンプライアンス(法令順守)を専門とし、川崎汽船や東横インの社外取締役を務めています。予備自衛官の経歴もあります。

主な公約

  • 出馬表明で「職員の笑顔を取り戻し、停滞した市政を前に進める」と表明
  • 9月29日に12項目の政策を発表。報道で確認できた主なものは、災害に強い危機管理、障害者や高齢者など必要な人に支援が届く福祉、子育て政策の充実、宿泊税の導入検討
  • 市長など特別職を対象としたハラスメント防止条例の制定に意欲
  • カジノを含む統合型リゾート(IR)は「5年前に結論が出ている」として、誘致する考えはないと明言

福山敦士(ふくやま・あつし)氏

プロフィール

1989年、横浜市港南区生まれ。横浜市青葉区の出身です。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、サイバーエージェントに入社し、グループ会社の取締役を経験しました。2016年に独立して起業し、複数の事業売却(M&A)を手がけています。2023年にはプロ野球独立リーグ・香川オリーブガイナーズの球団を取得しました。高校でビジネス探求・実践講座の講師も務めています。2025年の市長選にも立候補しており、今回は2度目の挑戦です。

主な公約

  • ガバナンス強化とコンプライアンス徹底による市政改革
  • 教職員の負担軽減
  • 中学校給食を自校調理・親子方式へ段階的に移行
  • 市民税に頼らない独自財源の確保
  • IRは「決着がついている」として、争点にしない考え
  • 参政党の推薦を受けた理由として、企業・団体献金を受けない同党の姿勢が自身の政策と合う点を挙げる

中谷一馬(なかたに・かずま)氏

プロフィール

神奈川県議会議員1期を経て、2017年に衆院議員に初当選し、3期務めました。2026年2月の衆院選では中道改革連合から神奈川7区で立候補して落選しています。国会議員時代は、行政のデジタル化などの分野に取り組んできました。

主な公約

「無所属・横浜市民派」として、「世界最高水準の防災都市・横浜」を掲げています。9月20日の街頭演説で、1965年に市が打ち出した都市計画「六大事業」になぞらえた「六つのゼロ」政策を発表しました。本人のX(旧Twitter)の投稿によると、内容は次のとおりです。

六つのゼロ内容
① 出産費用無痛分娩も含めて、出産費用の自己負担ゼロへ
② 保育料第2子以降の0〜2歳児の保育料ゼロへ
③ 給食費あたたかくおいしい給食を実現し、給食費はゼロへ
④ 介護離職介護で仕事を諦める人をゼロへ
⑤ カジノカジノは将来もゼロへ
⑥ ハラスメントあらゆるハラスメントをゼロへ

上の表はXの投稿にもとづいています。公式サイト(重点政策)では、①は「無痛分娩サポート、出産の不安をゼロへ」(費用支援と、安心して出産できる医療体制の整備)と、やや異なる表現になっています。

この投稿の時点では、「六つのゼロ」に続いて「六つの改革」「六つの安心」も公表するとされており、公約集は「六つのゼロ×六つの改革×六つの安心」という構成です。

  • IRについては、中止が決まっていても将来の市長が手続きを再開できないよう、条例で歯止めをかける仕組みを提案
  • 本社機能の誘致、インバウンド需要の取り込み、デジタル化・AI活用による生産性向上で「横浜をもっと豊かにできる」と主張

浅賀由香(あさか・ゆか)氏

プロフィール

横浜市鶴見区出身。筑波大学を卒業後、システムエンジニアや貿易関係の会社員を経験しました。2012年の衆院選以降、国政選挙に計6回立候補し、いずれも落選しています。現在は共産党神奈川県委員会の副委員長です。

主な公約

  • 「平和でこそ発展する」「市民生活こそ豊かに」「世界水準の人権都市へ」の3本柱
  • 横浜ノース・ドック(神奈川区)をはじめとする市内の米軍施設の全面返還、横浜港の軍事利用の阻止
  • 中学校給食の学校調理方式化
  • 災害時の避難所環境の充実、子育て政策

藤川祥子(ふじかわ・さちこ)氏

プロフィール

横浜市鶴見区出身。1999年に東北大学を卒業し、英国サセックス大学大学院を修了後、輸入販売会社に勤務しました。2011年の横浜市議選に鶴見区から立候補して落選。現在は人材派遣会社に勤めながら、市民団体「平和と民主主義をともにつくる会・かながわ」の代表を務めています。林文子市政のもとで進められたIR誘致への反対活動にも参加してきました。

主な公約

  • 「既存政党以外の受け皿がない中で市民の声を伝えたい」として無所属で立候補
  • 水道料金の見直しなどの物価高対策、子育て・福祉政策を含む5つの公約
  • パワハラ防止のための内部通報制度の導入
  • 山下ふ頭(中区)の再開発は、「民設民営」の計画を見直し、市民が参加しながら市直轄で整備

山中竹春(やまなか・たけはる)氏

プロフィール

横浜市立大学教授などを経て、2021年の市長選で初当選し、2025年に再選されました。2026年9月7日、パワハラ問題を受けて辞職しています。

主な公約

  • 「市民と約束した政策をやり遂げる責任がある」として、前回選挙の公約の実現を掲げる
  • 5年間取り組んできた子育て、防災、地域交通の推進など「生活者目線の政策」をさらに進める
  • 自身の問題について謝罪したうえで、「二度とハラスメントを起こさない組織をつくる」と表明
  • IRについて「再誘致の動きがあると感じている」と述べ、阻止する考えを示す

5. 主な争点

各候補の主張を、テーマごとに並べてみます。

テーマ各候補の主張
市政の信頼回復・ハラスメント対策原沢氏:特別職を対象としたハラスメント防止条例/中谷氏:あらゆるハラスメントをゼロへ/藤川氏:内部通報制度の導入/山中氏:ハラスメントを起こさない組織づくり
IR(カジノを含む統合型リゾート)原沢氏・福山氏:誘致は決着済み/中谷氏:カジノは将来もゼロへ(条例で歯止め)/山中氏:再誘致の動きがあるとして阻止する考え
子育て・教育・給食中谷氏:出産費用の自己負担ゼロ、第2子以降の0〜2歳児の保育料ゼロ、給食費ゼロ/福山氏:中学校給食を自校調理・親子方式へ段階的に移行/浅賀氏:中学校給食の学校調理方式化
財源原沢氏:宿泊税の導入検討/福山氏:市民税に頼らない独自財源の確保
山下ふ頭藤川氏:「民設民営」の計画を見直し、市民が参加しながら市直轄で整備

いちばん大きな争点は、山中氏の市政を続けるかどうかです。2025年の選挙で山中氏を支えた自民・公明・立憲民主は、今回はそれぞれ別の候補の支援に回りました。経済界を中心とした支援者の多くも山中氏の後援会を離れたと報じられており、前回の選挙とは構図が大きく変わっています。連合神奈川は9月29日、傘下の各産別の判断に委ねる「自主投票」とする方針を決めました。同市長選で自主投票とするのは初めてで、立憲民主党と国民民主党で支援対応が分かれたことが理由と説明されています。

まとめ
  • 前市長のパワハラ辞職にともなう選挙で、前市長本人も立候補する「出直し選挙」
  • 告示は10月4日、投開票は10月18日(即日開票)
  • 立候補予定者は6人。自民・国民民主・維新・公明は原沢氏、参政党は福山氏、立憲民主党県連は中谷氏、共産党は浅賀氏を支援
  • 市政の信頼回復、IR、子育て・給食、財源などが論点

投票先を決めるときは、告示後に作られる選挙公報や、各候補の街頭演説・公開討論会なども参考にしてみてください。選挙公報は10月16日までに各世帯へ配布されますが、案外早く届きます。

📚 主な出典

  • 横浜市選挙管理委員会『横浜市長選挙(令和8年10月18日執行)』|公式ページ
  • 朝日新聞『横浜市の山中竹春・前市長、市長選に立候補表明 パワハラ問題で辞職』(2026年9月28日)|記事リンク
  • 毎日新聞『パワハラ問題で辞職の山中前横浜市長、出馬表明 出直し市長選』(2026年9月28日)|記事リンク
  • 時事通信『山中前市長、再出馬を表明 「政策やり遂げる責任」強調』(2026年9月29日)|記事リンク
  • tvkニュース『横浜市長選 山中竹春前横浜市長(54)が再出馬を正式表明』(2026年9月29日)|記事リンク
  • タウンニュース『横浜市長選 前市長・山中竹春氏が出馬を正式表明「生活者目線の市政継続を」』(2026年9月30日)|記事リンク
  • 産経新聞『パワハラ辞職の山中竹春・前横浜市長が出馬表明 後援会の会合で出直し市長選に』(2026年9月28日)|記事リンク
  • 東京新聞『横浜市長選挙、連合神奈川が初の自主投票 各産別の判断に』(2026年9月29日)|記事リンク
  • 神奈川新聞『横浜市長選挙、連合神奈川が初の「自主投票」 短期決戦で異例の判断』(2026年9月29日)|記事リンク
  • 神奈川新聞『横浜・山中竹春前市長、市長選への立候補を表明 「不退転の決意で臨む」』(2026年9月28日)|記事リンク
  • 日本経済新聞『前横浜市長の山中竹春氏、出直し選挙への出馬表明 パワハラで辞職』(2026年9月28日)|記事リンク
  • 日本経済新聞『横浜市長選挙、日本維新の会が原沢敦美氏の推薦決定 公明党も支持』(2026年9月28日)|記事リンク
  • 日本経済新聞『横浜市長選、自民党横浜市連が原沢敦美氏擁立で調整』(2026年9月)|記事リンク
  • 東京新聞『横浜市長選に弁護士・原沢敦美氏の擁立を調整 市議会最大会派の自民、他党にも連携呼びかける方向』(2026年9月)|記事リンク
  • 日本経済新聞『横浜市長選挙、弁護士の原沢氏が出馬を表明 IR誘致「全くない」』(2026年9月10日)|記事リンク
  • 共同通信『弁護士の原沢敦美氏、出馬表明 横浜市長選、自民など支援へ』(2026年9月10日)|記事リンク
  • 神奈川新聞『横浜市長選挙、弁護士の原沢氏が12項目の政策発表 宿泊税の導入検討も』(2026年9月29日)|記事リンク
  • タウンニュース『横浜市長選 会社経営者・福山敦士氏が出馬表明「市政改革・独自財源確保を」』(2026年9月15日)|記事リンク
  • 毎日新聞『横浜市長選 無所属新人の福山敦士氏が出馬表明 参政党が推薦』(2026年9月11日)|記事リンク
  • tvkニュース『横浜市長選 会社経営者の福山敦士氏立候補表明 参政党と政策協定』(2026年9月11日)|記事リンク
  • 選挙ドットコム『横浜市長選挙に立候補 福山 敦士氏の経歴・政策まとめ』(2025年7月23日)|記事リンク
  • 神奈川新聞『横浜市長選、中谷一馬・元衆院議員が出馬表明「世界最高水準の防災都市に」』(2026年9月12日)|記事リンク
  • 日本経済新聞『横浜市長選挙に中谷一馬氏出馬へ 元衆院議員、立憲民主党が支援検討』(2026年9月12日)|記事リンク
  • 神奈川新聞『出馬表明の中谷一馬氏が政策発表 市内で街頭演説、「6つのゼロ」掲げる』(2026年9月20日)|記事リンク
  • Japan In-depth『横浜市長選2026はなぜ読めないのか 中谷一馬氏が語る構図』(2026年9月15日配信)|記事リンク
  • 東京新聞『横浜市長選挙 浅賀由香氏が出馬表明 共産党県委員会副委員長として「安全保障について話をしないと」』(2026年9月18日)|記事リンク
  • 神奈川新聞『横浜市長選、浅賀由香氏が出馬表明 共産公認、平和訴え「市民生活豊かに」』(2026年9月18日)|記事リンク
  • 日本経済新聞『横浜市長選挙、浅賀由香氏が立候補へ 共産党が公認』(2026年9月18日)|記事リンク
  • 日本経済新聞『横浜市長選挙、会社員の藤川祥子氏が立候補へ 無所属で出馬』(2026年9月24日)|記事リンク
  • 産経新聞『横浜市長選、会社員の藤川祥子氏が出馬表明「既存政党以外の受け皿ない」』(2026年9月24日)|記事リンク
  • タウンニュース『横浜市長選 市民団体代表・藤川祥子氏が立候補表明「市民が主役の市政を」』(2026年9月25日)|記事リンク
  • 東京新聞『横浜市長選挙、市民団体代表の藤川祥子氏が出馬表明 山下ふ頭の再開発「民設民営を見直す」』(2026年9月24日)|記事リンク
  • 中谷一馬公式サイト『重点政策』(2026年9月22日)|公式ページ
  • 中谷一馬氏の公式Xアカウント投稿(2026年9月21日)。なお、内容は各媒体の掲載時点のもので、今後変更される可能性があります。

✍️ 執筆者/ぱぶちゃん|投資歴6年
ファンダメンタルを事実ベースで解説するブログを運営中。相場の「なぜ?」を一緒に考えましょう。たまにチャート分析もします。ナンピンは得意です。
X(旧Twitter):@pablo29god

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の候補者・政党への投票を推奨・呼びかけるものではありません。記載内容は2026年9月30日時点の報道等にもとづくもので、正確性・完全性・最新性を保証するものではありません。各候補の正式な公約は、横浜市選挙管理委員会が公開する選挙公報等でご確認ください。

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