【横浜市長選挙2026結果】原沢あつみ氏が初当選|得票数・投票率・区別の結果

ニュース解説

2026年10月18日に投開票された横浜市長選挙は、無所属新人で弁護士の原沢あつみ氏が、前市長の山中竹春氏ら6人を破り、初当選しました。この記事では、市選管が公表した得票数・投票率と、各社の報道を、出典つきで整理します。最後の「5. 筆者の見方」のみ、筆者の意見を含みます。

※本記事は2026年10月19日時点の内容です。候補者の表記は選挙公報にそろえています(報道の見出しは原文のままです)。選挙前の記事は、第1弾(告示前)、第2弾(選挙公報)、第3弾(迷っている人のためのガイド)にまとめています。

1. 結果(確定得票)

順位候補者党派得票数得票率
1原沢あつみ無所属・新552,20739.49%
2福山あつし無所属・新230,41816.48%
3山中竹春無所属・元199,74614.28%
4中谷一馬無所属・新179,73912.85%
5藤川さちこ無所属・新97,8197.00%
6あさか由香日本共産党・新89,0526.37%
7山本理顕無所属・新49,3773.53%
得票総数1,398,358100%
横浜市長選挙2026の候補者別得票数の棒グラフ。当選は原沢あつみ552,207票(赤)。落選で供託金が返却されるのは、福山あつし230,418票、山中竹春199,746票、中谷一馬179,739票(青)。供託金が没収されるのは、藤川さちこ97,819票、あさか由香89,052票、山本理顕49,377票(薄い青)。法定得票数は349,589.5票、供託物没収点は139,835.8票
候補者別の得票数(市選管、確定)。赤=当選、青=落選(供託金は返却)、薄い青=落選(供託金は没収)

市選管、確定(1時56分現在)[S1]。神奈川新聞は、10月18日20時に「初当選確実」と報じ[S4]、時事通信と読売新聞は、19日に「初当選」と伝えました[S5、S6]。

供託金の返却と没収

立候補するときは、候補者1人につき供託金を納めます。指定都市(横浜市は指定都市です)の市長選挙では240万円(国債証書でも可)です(公職選挙法第92条第1項第6号)[S12]。

地方公共団体の長の選挙では、得票数が有効投票の総数の10分の1に達しないと、供託物は没収されます(同法第93条第1項第4号)[S12]。市選管の資料には、この供託物没収点として139,835.8票が示されています[S1]。没収された供託物は、当該地方公共団体(ここでは横浜市)に帰属します(同条第1項)。今回は、藤川さちこ氏(97,819票)、あさか由香氏(89,052票)、山本理顕氏(49,377票)の3人が、この点に届きませんでした。残りの落選者(福山あつし氏、山中竹春氏、中谷一馬氏)は、供託物が返却されます。

当選の基準(法定得票数)

市長選では、1位の候補者でも、有効投票の総数の4分の1以上の得票がなければ、当選人になれません(公職選挙法第95条第1項)[S7]。今回の法定得票数は349,589.5票で、原沢あつみ氏の得票数(552,207票)は、これを上回っています[S1]。

福山あつし氏の得票数は、前回から増えた

福山あつし氏は、参政党・再生の道の推薦を受けました(公報)[S8]。公報には、2025年の横浜市長選挙で148,236票を獲得したとあり[S8]、今回は230,418票で、約8万2千票(約1.55倍)増えました[S1]。2位です。

2. 投票率と期日前投票

項目数字
有権者数3,108,312人
投票者数1,416,233人
投票率45.56%(前回41.64%、3.92ポイント上昇)
男性/女性44.72%/46.37%
無効投票数(無効投票率)17,864票(1.26%)

[S1]

  • 有権者の半分には届きませんでしたが、前回(2025年8月)より3.92ポイント上がりました[S1、S5、S6]。
  • 区別で最も高いのは都筑区(48.88%)、最も低いのは鶴見区(40.46%)です。18区すべてで、前回を上回りました[S1]。
  • 期日前投票者数は、10月5日〜17日の累計で470,980人でした。最も多い日は10月17日の89,253人です[S2]。投票者数1,416,233人の、約3分の1にあたります(筆者の計算。基準時点が異なるため、おおよその目安です)。

歴代の投票率

横浜市長選挙の投票率の推移の棒グラフ。2006年35.30%、2009年68.76%(衆院選と同日)、2013年29.05%、2017年37.21%、2021年49.05%、2025年41.64%、2026年45.56%。50%の線を超えたのは2009年のみ
横浜市長選挙の投票率の推移(2006年〜2026年)。点線は50%
  • 7回のうち、投票率が50%を超えたのは、2009年(68.76%)だけです。この年は、衆議院議員総選挙と同じ日に実施されました。
  • 今回の45.56%は、7回のうち3番目に高い数字です。2021年(49.05%)には届きませんでしたが、2025年(41.64%)、2017年(37.21%)、2006年(35.30%)、2013年(29.05%)は上回りました。
  • それでも、有権者の半分には届きませんでした。

[S1、S9、S10、S11]2006年と2009年の数字は、選挙情報局の集計によります。

区別の投票率

区有権者数投票者数投票率前回差(ポイント)
鶴見区239,25496,80240.46%37.68%2.78
神奈川区206,31390,85044.04%40.12%3.92
西区87,67040,70946.43%42.82%3.61
中区120,33551,83543.08%39.74%3.34
南区165,12668,37741.41%37.30%4.11
港南区178,17884,54847.45%43.15%4.30
保土ケ谷区169,54275,93044.79%41.20%3.59
旭区203,41992,38645.42%41.31%4.11
磯子区136,34362,28145.68%41.66%4.02
金沢区162,34778,16548.15%45.65%2.50
港北区298,719143,66148.09%43.36%4.73
緑区148,79966,94444.99%41.16%3.83
青葉区254,152118,77346.73%42.10%4.63
都筑区173,73584,92648.88%44.04%4.84
戸塚区233,081109,42146.95%43.52%3.43
栄区101,86148,99348.10%43.94%4.16
泉区127,47358,01145.51%41.13%4.38
瀬谷区101,96543,62142.78%39.01%3.77

[S1]

3. 区別の得票数

18区すべてで、原沢あつみ氏が1位でした。2位は、福山あつし氏が12区、山中竹春氏が4区(金沢区、栄区、泉区、瀬谷区)、中谷一馬氏が2区(港北区、都筑区)です。原沢氏の得票率は、最も低い港北区が33.16%、最も高い中区が42.65%でした[S3]。

区原沢あつみ福山あつし山中竹春中谷一馬藤川さちこあさか由香山本理顕
鶴見区36,92416,52111,90310,6108,9077,7042,928
神奈川区34,90215,62412,19210,5146,1575,7704,572
西区16,1267,5275,7734,0202,7002,1611,866
中区21,8088,7177,0904,6873,0372,8862,907
南区27,59311,3829,4126,5274,6285,3072,583
港南区34,99513,24612,5838,3505,8525,8802,542
保土ケ谷区30,39812,20011,4748,4854,7484,9592,706
旭区35,74414,29814,28310,5566,8996,5172,872
磯子区25,7899,9319,2175,9704,4423,9132,174
金沢区32,66711,59012,1417,8165,3175,0292,597
港北区47,13922,82716,53835,2148,2796,8835,270
緑区25,17311,3919,6418,6265,1634,3331,836
青葉区47,21421,29315,73913,6588,4686,7184,243
都筑区31,10514,12610,44217,1234,8463,7352,597
戸塚区43,80117,21517,15411,1957,7347,3263,481
栄区20,0866,9487,7495,3953,5843,2251,431
泉区23,3088,8749,1486,2914,2433,7701,614
瀬谷区17,4356,7087,2674,7022,8152,9361,158

[S3]中谷一馬氏の得票率は、市全体では12.85%でしたが、港北区(24.77%)と都筑区(20.39%)では、これを上回りました(ほかの区は9〜13%台)。旭区は福山氏と山中氏の差が15票、戸塚区は同じく61票でした。

4. 各社は、どう伝えたか

各社の表現を並べました。各社の意図は、筆者にはわかりません。

媒体伝えた内容(要旨)
神奈川新聞[S4]「初当選確実、パワハラ問題の前市長ら6人破る」。有権者は山中市政の継続を退けた、と報道
時事通信[S5]前市長への「信頼の是非が争点だった」。原沢氏は自民・維新・国民の各県組織の推薦に加え、公明市議団の支持を得て「組織戦を展開」と報道
読売新聞[S6]原沢氏は、他候補と比べると強固な「組織力」で選挙戦を優位に進めた。山中氏への批判票の「受け皿ともなった」と報道。IRは、5年前と同じように争点化を狙ったが、すべての候補が誘致を明確に否定したことで、「大きなうねりにはならなかった」と報道

当選後の発言は、次のように報じられています。

  • 原沢あつみ氏:「無名の私が当選できたのは、支えてくださった多くの方のおかげだ」[S6]。事務所では「市民目線を第一に考え、横浜を良い町にしたい」と述べた[S5]。
  • 山中竹春氏:「私の力不足で申し訳ない」[S5]。「私が行ってきた政策や、私の言動をどう改善していくのかが伝えきれなかった」[S6]。

5. 筆者の見方:争点が見えにくい選挙だった

ここからは、筆者の見方です。特定の候補者や政党を支持・批判する意図はありません。事実の部分は、上の1〜4章に書きました。

✍️ 筆者の見方

今回の投票率は45.56%で、横浜市の有権者の半分に届きませんでした。前回より3.92ポイント上がってはいますが、過半数の有権者は、投票していません。

私は、今回は、争点がはっきり分かれた選挙には見えませんでした。IRは、討論会や街頭演説で、7人全員が反対でした。読売も、すべての候補が誘致を明確に否定したと報じています[S6]。差がつきませんでした。パワハラは、これに「あり」と言えば得票できないので、当然、争点になりません。GREEN×EXPO 2027も、ここまで来て、開催そのものを問う候補はいませんでした。みどり税は貴重な財源だと思いますが、有無の差は、年額を考えると、インパクトが薄い。私は、負担は無ければ無いほど良いと考えます。中学校給食は、該当する世帯以外には、実感しにくいテーマで、争点は給食の提供方法に絞られていました。

特別市や財政の進め方には、立場の差がありましたが、有権者に伝わるほど、はっきり分かれたかは、疑問が残ります。争点が見えにくく、投票率が伸びきらないなかで、組織の力が働きやすい選挙になった、と私は感じました。これは、報道(時事通信の「組織戦を展開」、読売新聞の「強固な『組織力』」)とも重なる見方ですが、得票の理由は、私にはわかりません。

参政党・再生の道が推薦した福山あつし氏は、2位に入り、前回から約8万2千票を増やしました。私は、参政党は、各選挙で、じわじわと確実に得票を伸ばしていく設計になっていると見ています。今回の結果も、その流れの中にあり、いずれ大きな政党になると思います。ただし、市長選は候補者個人の要素も大きく、福山氏の票がすべて党への支持とは言えません。これは、私の見方です。中谷一馬氏は、港北区と都筑区で得票率が高く、地元での知名度が出たように見えました。

今後は、公約の財源・規模・期間・対象が、実際の予算でどう示されるかを、見ていくつもりです。

まとめ
  • 原沢あつみ氏が初当選。得票数は552,207票(得票率39.49%)
  • 投票率は45.56%で、前回より3.92ポイント上昇した
  • 法定得票数は349,589.5票。原沢氏の得票数は、これを上回った
  • 原沢氏は18区すべてで1位。福山あつし氏は前回から約8万2千票増やして2位
  • 報道は、山中市政への評価と、組織の力を、それぞれ伝えた

📚 主な出典

  • S1 横浜市選挙管理委員会『横浜市長選挙開票結果(確定)』|資料(PDF)
  • S2 横浜市選挙管理委員会『期日前投票者数の推移(合計)』|資料(PDF)
  • S3 横浜市選挙管理委員会『横浜市長選挙候補者別得票数』|資料(PDF)
  • S4 神奈川新聞『横浜市長選挙 原沢敦美氏の初当選確実、パワハラ問題の前市長ら6人破る』(2026年10月18日)|記事リンク
  • S5 時事通信『横浜市長に原沢敦美氏が初当選 前職・山中竹春氏ら6氏破る』(10月19日)|記事リンク
  • S6 読売新聞『横浜市長選挙に勝利の原沢敦美氏、初の選挙で演説にとまどうことも…片山財務相ら大物弁護士がバックアップ』(10月19日)|記事リンク
  • S7 go2senkyo『首長選挙で当選人が決まらなかったとき』(公職選挙法第95条の解説)|記事リンク
  • S8 横浜市選挙管理委員会『横浜市長選挙 選挙公報(令和8年10月18日執行)』|公報(PDF)
  • S9 選挙情報局『横浜市長選挙(過去の結果)』|記事リンク
  • S10 横浜市選挙管理委員会『令和3年8月22日執行 横浜市長選挙 結果表』|資料(PDF)
  • S11 政治山『神奈川県内の選挙(2013年)』|記事リンク
  • S12 e-Gov法令検索『公職選挙法』第92条(供託)・第93条(公職の候補者に係る供託物の没収)|法令リンク

✍️ 執筆者/ぱぶちゃん|投資歴6年
ファンダメンタルを事実ベースで解説するブログを運営中。相場の「なぜ?」を一緒に考えましょう。たまにチャート分析もします。ナンピンは得意です。
X(旧Twitter):@pablo29god

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の候補者・政党への投票を推奨・呼びかけるものではありません。記載内容は2026年10月19日時点の市選管の公表資料および報道にもとづくもので、正確性・完全性・最新性を保証するものではありません。報道の表現は各社の原文のまま引用しており、各社の意図は筆者にはわかりません。正式な結果は、横浜市選挙管理委員会の公表資料でご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました